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毒薬と毒物と劇薬は何が違うの?

   

毒薬と毒物・・・なんか一緒のような気がしますし、劇薬と毒薬は違うのは分かりますけど、何が?と言われるとちょっと困る・・・。
Wikipediaを見ていて違いが分かりました。

毒薬

毒薬の容器、被包に表示する標識の例。
毒薬は医薬品の一種である。定義及び取扱いは同法44条以下が定めている。
毒性が強い医薬品を薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が毒薬として法令で指定する。毒薬は黒地に白枠、白字をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。また、その保管に際しては、施錠できる場所に他の物と区別して貯蔵および陳列しなければならない。

薬事法 – Wikipedia

毒物

毒は、生命活動に芳しくない影響を与える物質の総称で、そういう性質は毒性(どくせい)とよばれ、またそういう性質があるもの(物体・生物問わず)は有毒(ゆうどく)と表現される。なお、これを専門に扱う学問としては毒性学(どくせいがく)がある。

毒 – Wikipedia

そう、「毒薬」は「薬」がついているだけあって、医薬品なんです。毒と言いながら薬。それに対して毒物(毒)は、「体に悪いものすべて」といった所ですから、毒物>毒薬で、毒物は毒薬を内包する、って事ですね。

じゃぁ「劇薬」は・・・?

劇薬

劇薬は医薬品の一種である。定義及び取扱いは同法44条以下が定めている。
劇性が強いものを薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が劇薬として法令で指定する。劇薬は白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。また、その保管に際しては、他の物と区別して貯蔵および陳列しなければならない。

おっと、これは「毒薬」と同じような記述ですね。この中の「劇性」ってのは何だ・・・?
毒薬、劇薬は医薬品分類になるので、その境界線は厳密に規定されています。

毒薬:急性毒性における致死量(その量を投与されると半数が死ぬ量のこと。半数致死用量・LD50とも。後述「劇薬」においても定義同じ)が、経口投与で体重1kgあたり50mg以下のものを言う。
劇薬:致死量が、経口投与で体重1kgあたり300mg以下、皮下注射で体重1kgあたり200mg以下のものを言う。

取り扱いの資格が違う

毒薬と毒物、劇薬と劇物はそれぞれ医薬品かそうでないか、という違いから、取り扱える資格も違うようです。

毒薬/劇薬は以下。

化粧品製造販売業許可
医薬品製造販売業許可 (第1~3種)
医薬部外品製造販売業許可
医療機器製造販売業許可 (第1~3種)
化粧品製造業許可
医薬品製造業許可
医薬部外品製造業許可
医療機器製造業許可
高度管理医療機器販売業許可

毒物/劇物は以下。

毒物劇物営業者
毒物および劇物の製造、輸入、販売を行うもの(法3条)。3業態別に登録が必要で(法4条~6条)、毒物劇物取扱責任者を置く必要がある(法7条)。また非届出業務上取扱者としての義務に加えて、譲渡に関して様々な規制がある。
特定毒物研究者・特定毒物使用者
特定毒物を使用する者(法3条の2)。研究者は都道府県知事の許可を得て、学術研究のために製造・輸入・使用ができる。また品目ごとに政令で指定された使用者は、それぞれ定められた用途に使用できる。非届出業務上取扱者としての義務に加えて、認められた以外の譲渡や所持が禁止されている。
要届出業務上取扱者
政令で定める事業(電気メッキ、金属熱処理、大量運送、しろあり防除)のために毒物および劇物を取り扱う者(法22条1、施行令41条)。都道府県知事への届出が必要で、非届出業務上取扱者としての義務に加えて、毒物劇物取扱責任者を置き(法7条)、廃棄物の回収命令に従う(法15条の3)などの義務がある。
非届出業務上取扱者
業務上毒物および劇物を取り扱う者(法22条5)。適正な管理(法11条)、表示(法12条)、廃棄(法15条の2)、運搬(法16条)、事故の際の届出(法16条の2)、および報告や立入検査などに応じる(法17条)義務がある。

準拠法も違う

毒薬/劇薬は薬事法 – Wikipedia。毒物/劇物は毒物及び劇物取締法 – Wikipedia

毒物/劇物は危険なだけ?

ここまでの分類だと○物、ってのは危険なだけな感じがしますが、毒薬/劇薬が医薬品、医療で利用されるのに限定されるのに対して、毒物/劇物はもっと広範囲に活用されています。

毒性物質の利用例として工業製品の製造や日常生活等で目にするもののいくつかを挙げる。
アルシン(毒物) – 半導体の製造(n型シリコン膜の形成)
アンモニア(劇物) – 窒素肥料の製造
シアン化ナトリウム(毒物)、シアン化カリウム – めっきの溶液
ジボラン(毒物) – 半導体の製造(p型シリコン膜の形成)
テトラクロロエチレン – ドライクリーニングの溶剤
鉛二酸化鉛 – 鉛蓄電池の電極
二硫化炭素(劇物) – ビスコース(レーヨンを得るための中間生成物)

言われてみれば、あ、なるほど、という感じです。アンモニアはご存知の通り危険な臭いがしますが、肥料に使われるのは結構知られていますよね。シアン化なんとかはよく探偵小説で「シアン化合物」などと言われて出てくるものだと思うのですが、めっきに必要、と。めっきは見栄えや対腐食性もさることながら、金属アレルギーを起こさないコーティングの役目も果たす事があるので、そういう意味では「毒を以て毒を制す」使い方ですね。

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